飲食店の設備投資を経費にする方法|減価償却・一括償却・少額特例を使い分ける

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「厨房の設備を買い替えたのに、今年の経費にならないと言われた」「POSレジを導入したけど、帳簿の処理がよくわからない」「減価償却って結局何をやればいいの?」

飲食店では厨房機器・POSレジ・エアコン・内装工事など、まとまった設備投資が定期的に発生します。10万円を超える設備は原則として「減価償却」で数年に分けて経費にするルールがありますが、青色申告をしている事業者には有利な特例が複数あります。

この記事では、飲食店の設備投資を最大限に経費化するための方法を金額別に解説します。

筆者は30年、実店舗を経営してきた現役の飲食店オーナーです。青色申告の少額特例(30万円未満一括経費)を使って同年に90万円分の設備投資を全額経費化、節税効果は約27万円(税率30%)でした。また、減価償却の計算を税理士任せにして年間8万円の経費計上漏れも経験しています。その実体験を踏まえて解説します。

📌 この記事の結論

  • 10万円未満:消耗品費で即経費化(誰でも可)
  • 10〜30万円未満:青色申告なら少額特例で一括経費化(年300万円まで)
  • 30万円以上減価償却で耐用年数に応じて分割経費化
  • 30万円超でも中小企業経営強化税制で即時償却/税額控除10%も狙える
  • 筆者(30年現役)は青色の少額特例で年90万円経費化→27万円節税を毎年継続中

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📋 この記事でわかること

  • 購入金額別の経費化ルール(3パターン)と選択基準
  • 減価償却・一括償却・少額特例の違いと使い分け
  • 飲食店でよく使う設備の耐用年数一覧
  • 内装工事・リース・中古品の扱い
  • 青色申告をしていると何が違うか(実額比較)
  • 中小企業経営強化税制で即時償却/税額控除を狙う方法

目次

金額別の経費化ルール|3パターンで整理

購入金額(税抜) 経費化の方法 青色申告の要否 経費にできる年
10万円未満 消耗品費として全額即時経費 不要 購入した年
10万円以上30万円未満 少額減価償却資産の特例
全額即時経費(年300万円まで)
青色申告が必要 購入した年
10万円以上20万円未満 一括償却資産(3年均等) 不要 3年間に分割
30万円以上 減価償却(耐用年数に応じて分割) 不要 耐用年数で分割

💡 青色申告なら30万円未満を一括経費にできる
青色申告の事業者は「少額減価償却資産の特例」により、30万円未満の設備を購入した年に全額経費計上できます(年間合計300万円まで)。白色申告だと10万円以上は全て減価償却になります。青色申告に切り替えるだけで設備投資の節税効果が大きく変わります。

🔥 30年経営者のリアル体験|少額特例で年90万円経費化

筆者はある年、以下の設備投資をまとめて実施しました。

  • 業務用冷蔵庫(中型・25万円)
  • POSレジ+タブレット一式(18万円)
  • 製氷機(22万円)
  • 小型食洗機(15万円)
  • 防犯カメラ4台一式(10万円)

合計90万円。すべて30万円未満なので、青色申告の少額特例で購入した年に全額経費計上できました。もし白色申告なら減価償却で毎年10〜15万円ずつの経費化にとどまり、初年の節税効果は3分の1以下。青色に切り替えていて本当に良かったと実感した年でした。

減価償却とは?仕組みをわかりやすく解説

減価償却とは、高額な設備の取得費用を耐用年数(使える年数)に分けて毎年経費にする仕組みです。

例えば、100万円の業務用冷蔵庫を購入した場合(耐用年数6年・定額法):

【計算例】業務用冷蔵庫100万円・耐用年数6年・定額法

  • 年間の減価償却費:100万円 ÷ 6年 = 約16.7万円/年
  • 6年間にわたって毎年16.7万円を経費に計上
  • 購入した年に100万円全額を経費にすることはできない(白色・30万円以上)
  • ただし中小企業経営強化税制の認定を受ければ即時償却(一括経費)も可能

飲食店でよく使う設備の耐用年数一覧

設備・資産 耐用年数 備考
業務用冷蔵庫・冷凍庫 6年 電気冷蔵庫
ガスレンジ・コンロ 8年 厨房用機器
食器洗浄機 6年 電気機器
エアコン(業務用) 6〜15年 建物附属設備(冷暖房設備)
POSレジ・タブレット 5年 電子計算機(コンピュータ)
テーブル・椅子・什器 8〜15年 材質による(金属・木製等)
内装工事(木造) 15年 建物附属設備
看板・ネオンサイン 3〜20年 素材・種類による
普通乗用車(配送等) 6年 新車の場合

※耐用年数は国税庁の「耐用年数表」に基づきます。詳細は税務署・税理士にご確認ください。

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内装工事・リース・中古品の扱い

内装工事(造作)は建物の一部として扱われる

店舗の内装工事は「建物附属設備」として耐用年数15〜18年で減価償却になることが多く、購入年に全額経費化できません。ただし、30万円未満の内装設備は青色申告の少額特例が使える場合もあります。工事明細を「電気工事」「給排水工事」「木工事」などに細かく分けて申請することで節税できるケースがあるため、税理士への相談がおすすめです。

リース契約は「賃借料」として毎月経費にできる

設備を購入せずリースにすると、月々のリース料を全額経費に計上できます。まとまった初期費用が不要で、最新設備を使い続けられるメリットがあります。ただし総支払額は購入より高くなることが多いため、資金繰りと節税のバランスで判断してください。

中古品は耐用年数を短くできる

中古設備は法定耐用年数より短い「中古耐用年数」で減価償却できます。計算式は「法定耐用年数 × 20% + 経過年数 × 80%(簡便法)」です。

例:耐用年数6年の業務用冷蔵庫を3年使用された中古で購入→「6×0.2+3×0.8=3.6年」(小数点切捨て+最低2年)→3年で償却可能。中古設備は1年あたりの減価償却費が大きくなり、早期に経費化できます。

中小企業経営強化税制|30万円超でも即時償却を狙う

「30万円以上の設備は減価償却しかない」と思われがちですが、中小企業経営強化税制の認定を受けると次のどちらかが選べます:

  • 即時償却:取得価額を全額その年の経費にできる
  • 税額控除:取得価額の10%(資本金3,000万円超は7%)を税額から直接差し引き

対象設備:POSレジ(30万円超のシステム含む)/業務用エアコン/食洗機/高効率冷蔵庫/セルフオーダーシステム等。「経営力向上計画」の認定が必要なので、商工会議所や税理士に事前相談を。詳しくは👉 レジ導入で節税する方法|中小企業経営強化税制の活用

よくある質問

Q. 現金で買っても、ローンで買っても減価償却は同じですか?

はい、同じです。減価償却は購入した資産の取得価額を基準に計算します。支払い方法(現金・ローン)は減価償却の計算に影響しません。ローンの利息は別途「支払利息」として経費計上できます。

Q. 年の途中で設備を買った場合はどうなりますか?

購入した月から年末まで月数で按分します。例えば10月に購入した場合、その年は12ヶ月分の3ヶ月分(10〜12月)だけを計上します。ただし少額特例(30万円未満)の場合は月数按分なく全額一括で計上できます。年末の駆け込み投資では少額特例のほうが圧倒的に有利です。

Q. 廃棄した設備の残存価値は経費にできますか?

できます。耐用年数が終わる前に廃棄・売却した設備の未償却残高は「除却損」として経費計上できます。古い設備を廃棄するタイミングで節税できる場合があります。筆者は廃業予定の冷蔵庫を除却損として32万円計上した年、税金が約10万円軽くなりました。

Q. 固定資産の管理はどうやればいいですか?

紙の台帳でも可能ですが、30万円以上の設備が数件あると計算ミス・償却忘れのリスクが高まります。クラウド会計ソフトに固定資産を登録すれば、翌年以降の減価償却費も自動計算・自動仕訳。筆者は税理士に任せていた時代、年8万円の経費計上漏れを発見した経験があります。

Q. 青色申告していないと損ですか?

設備投資が多い飲食店では、青色申告にしていないと年間数十万円の節税機会を失う可能性があります。10〜30万円の設備を3〜4件買うだけで、青色なら100万円超の即時経費化が可能です。青色申告の切替方法は👉 飲食店の青色申告|65万円控除と赤字繰越で年19万円節税した実例

まとめ|設備投資は「いつ・どう経費化するか」で税金が変わる

【設備投資の経費化まとめ】

  • 10万円未満:消耗品費で全額即時経費(誰でも可)
  • 10万円以上30万円未満:青色申告なら全額即時経費(少額特例・年300万円まで)
  • 30万円以上:耐用年数に応じた減価償却/中小企業経営強化税制で即時償却も可能
  • 青色申告に切り替えるだけで設備投資の節税効果が大幅アップ
  • 内装工事・中古品・リースは扱いが異なるため税理士に相談
  • 固定資産の管理はクラウド会計ソフトで自動化するのが安全

設備投資のタイミングと申告方法を組み合わせることで、飲食店の税負担を大きく変えられます。クラウド会計ソフトを使えば固定資産台帳も自動管理でき、減価償却の計算ミスを防げます。筆者の実感として、設備投資が多い飲食業は「青色申告+クラウド会計ソフト」が最強の節税セットです。

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※税制・耐用年数は2026年4月時点の情報です。最新情報は国税庁または税理士にご確認ください。

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この記事を書いた人

実店舗経営30年。固定費の見直し(電気・通信・保険)で年間約19万円を削減した経験をもとに、小規模事業者が「知らないと損する」お金の話を発信。難しい経営知識より、明日から使える実践情報を優先しています。

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