飲食店の売上が落ちた時にやるべき5つのこと|30年オーナーの実体験

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「先月より売上が明らかに落ちている」「このまま下がり続けたらどうしよう」「何から手をつければいいかわからない」

飲食店をやっていれば、誰もが一度は経験する状況です。新しい競合店ができた、近所で道路工事が始まった、季節要因、景気…原因はさまざまですが、共通するのは「焦ると必ず失敗する」ということ。

私も30年の経営の中で、売上が前年比20%落ちた月が何度かあります。最初の頃は、焦って値下げしたり、広告費をかけたり、メニューを増やしたり。どれも裏目に出ました。

この記事では、30年の経験から学んだ「売上が落ちた時にやる正しい順番」を、実体験ベースで正直に書きます。

筆者は30年、実店舗を経営してきた現役の飲食店オーナーです。いわゆる「成功した話」だけではなく、失敗も含めてお伝えします。

📌 結論|売上が落ちた時にやる「正しい順番」

  1. 資金繰り表で「あと何ヶ月もつか」を把握する(冷静になるため)
  2. 固定費を棚卸しする(電気・通信・サブスクの即効性大)
  3. キャッシュレスを導入・強化する(機会損失を止める)
  4. 既存客に「戻ってきてもらう」施策を打つ(新規集客より先)
  5. 原価率・人件費率を見直す(利益の残る体質に)

※「値下げ」「SNS広告」「メニュー大改訂」は全部後回しで大丈夫です。焦りからやると大損します。

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📋 この記事でわかること

  • 売上が落ちた時にやってはいけないこと(失敗談)
  • 30年経営者が売上20%減を乗り切った具体的5ステップ
  • 固定費削減・キャッシュレス・資金繰りの順序と理由
  • それぞれの施策のメリット・デメリット
  • どんな飲食店にこの順番が合うか

目次

売上が前年比20%落ちた月|私が最初にやった「間違った行動」

先に失敗談から書きます。

今から10年ほど前、近所に新しい居酒屋チェーンができて、うちの店の売上が前年比20%減(月商200万円→160万円)に落ちました。固定費は変わらないので、利益が一気に消えました。

焦った私がまず何をやったか。

🔥 30年経営者の「やってはいけなかった」3つの行動

  1. 看板メニューを200円値下げした→売上は戻らず、原価率だけ悪化(42%→48%)
  2. ホットペッパーの上位プランに乗り換えた→月3万円→月8万円に増額。新規客は月8組しか増えず、完全に赤字
  3. メニューを一気に12品追加した→仕込み量が増え、廃棄も増え、スタッフから不満噴出

この3つで、3ヶ月で追加損失が約50万円。売上が戻らないどころか、固定費を増やし原価率を悪化させる悪循環でした。

そこでようやく冷静になって、「攻め」より「守り」を先にやるべきだったと気づきました。順番を変えて立て直した経緯を、これから書きます。

売上が落ちた時にやるべき5つのこと|順番が超重要

STEP 1|資金繰り表で「あと何ヶ月もつか」を把握する

売上が落ちた時、まず必要なのは「何をするか」より「時間の余裕がどれだけあるか」を知ることです。

私はExcelで簡単な資金繰り表を作りました。やることは単純です:

  • 月末の口座残高(現状)
  • 今後6ヶ月の「入金予測」(下がった売上ベース)
  • 今後6ヶ月の「出金予測」(固定費・仕入れ・税金・借入返済)
  • 月末残高の推移を計算

すると、「このペースなら4ヶ月後に資金ショートする」と明確に見えました。焦る気持ちが消え、「4ヶ月あるなら手を打てる」と冷静になれました。

詳しい資金繰り表の作り方は👉 飲食店の資金繰り基礎|30年経営者がコロナ禍を乗り切った実例

STEP 2|固定費を棚卸し|電気・通信・サブスクは「即効性大」

売上を上げるのは時間がかかります。でも固定費を下げるのは即日〜1ヶ月でできます。

私が最初に手をつけたのは電気代でした。15年以上、大手電力会社と契約したまま放置していたのです。

エネチェンジで比較したら、同じ使用量で月8,000〜9,000円安くなる新電力がありました。申込みフォームに10分入力→1ヶ月後に自動切替。工事・停電なし。

これだけで年10万円の削減。落ちた売上の一部を取り戻せました。

続けて以下を棚卸し:

  • 通信費:光回線とオーナースマホのプラン見直しで年12万円削減
  • サブスク:退職スタッフ用ツール・重複予約管理などの解約で年7万円削減
  • グルメサイト有料プラン:効果測定→無料プランに変更で年12万円削減

固定費だけで年41万円の支出減。売上が戻らなくても、この分が「利益」として残ります。

電気代削減の詳細は👉 店舗の電気代を年10万円削減した実例

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STEP 3|キャッシュレスを導入・強化する|機会損失を止める

売上が落ちている時、新規客を呼ぶ前にやるべきは「今来ている客を取りこぼさない」こと。

当時、うちの店は現金とクレジットだけ対応で、PayPay・交通系ICが使えませんでした。ある日、お客さんから「PayPay使えないんですか…」と残念そうに言われ、これが毎日何回起きているのかと気づきました。

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結果、キャッシュレス比率が7%→22%→52%と段階的に上昇。特に新規のビジネス客・若年層の会計がスムーズになり、「今度の飲み会もこの店にしよう」という声が増えました。

手数料は2.48〜3.24%かかりますが、取りこぼしを防ぐメリットの方が圧倒的に大きいのが実感です。

キャッシュレス導入の詳細は👉 飲食店キャッシュレス決済おすすめ3選

STEP 4|既存客に「戻ってきてもらう」施策を先にやる

新規集客は「お金と時間」がかかります。売上が落ちている時に広告費を増やすのは、資金繰りを悪化させるだけ(私も失敗しました)。

代わりにやったのは、既存のお客さんへのアプローチです:

  • LINE公式アカウントを作ってQRをレジに設置(無料)
  • 3ヶ月以上来てないお客様に「久しぶりクーポン」をLINE配信
  • 常連さんに「次は○月以降だとうれしいです」と直接声をかける
  • 誕生日クーポンを始める(データが溜まっていく)

新規集客より圧倒的にコストが低く、反応率も高いです。既存客は「店を知っている」ので再来店のハードルが低い。3ヶ月で月商165万円→195万円まで戻りました。

STEP 5|原価率・人件費率を見直す|利益が残る体質に

売上が戻ってきても、「利益が残る体質」になっていないと意味がありません。最後に原価・人件費を見直しました:

  • 廃棄率を測定(9%だと判明)→発注見直しで3%まで削減=月3.6万円利益増
  • POSレジで時間帯別売上を見てシフトを組み直し→人件費率28%→24%
  • 仕入れ先を見直し、2社相見積もり→月1.2万円の原価ダウン

これでベース利益率が一段上がり、売上が多少落ちても赤字にならない体質に。「売上を上げる」より「利益を残す」方に意識を向けると、経営は一気に安定します。

5ステップそれぞれのメリット・デメリット

STEP メリット デメリット
① 資金繰り表 焦りが消える。判断基準ができる 最初の作成に2〜3時間かかる
② 固定費削減 即効性大・年数十万円の効果 一度やると次が少ない
③ キャッシュレス 取りこぼし防止・客層拡大 決済手数料2〜3%が発生
④ 既存客施策 低コスト・高反応率 LINE登録などの仕組み作りが必要
⑤ 原価・人件費 利益体質が根本から改善 データ蓄積に数ヶ月

この順番をおすすめしたい飲食店オーナー

  • 売上が前年比10〜30%落ちて、どこから手をつけるか迷っている
  • 焦って値下げやメニュー増を始めてしまった(まだリカバー可能)
  • 固定費を5年以上見直していない
  • キャッシュレス対応がまだ進んでいない、または旧態のまま
  • 「集客」しか選択肢がないと思い込んでいる

⚠️ 逆にこういう方は別のアプローチが必要
売上が前年比40%以上落ちている場合や、半年以内に資金ショート確定している場合は、このステップだけでは不十分です。すぐに税理士・商工会議所・日本政策金融公庫に相談してください。融資は「困る前に借りる」が鉄則です。

まとめ|売上が落ちた時こそ「守り」を先にやる

【売上回復5ステップまとめ】

  1. 資金繰り表で時間の余裕を把握(焦りを消す)
  2. 固定費を棚卸し(電気・通信・サブスクで年数十万円)
  3. キャッシュレスで機会損失を止める
  4. 既存客にアプローチ(新規集客より先)
  5. 原価・人件費の見直しで利益体質に

30年の経験で学んだのは、売上が落ちた時に「攻め」から始めると必ず傷口が広がるということ。まず守りを固めて、利益を残せる体質を作ってから、改めて「攻め」に転じるのが正解です。

固定費削減とキャッシュレス導入は、今日から始められて効果も早い2つです。焦らず、まずここから始めてみてください。

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この記事を書いた人

実店舗経営30年。固定費の見直し(電気・通信・保険)で年間約19万円を削減した経験をもとに、小規模事業者が「知らないと損する」お金の話を発信。難しい経営知識より、明日から使える実践情報を優先しています。

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