飲食店のレジ・POS対応に最大350万円の補助枠?|2027年消費税減税で今確認すべきこと

2027年消費税減税に伴うレジ・POS対応支援の概要。ITツール最大350万円、PC・タブレット最大10万円、レジ・券売機最大20万円

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2027年4月に予定されている飲食料品の消費税率引下げに向けて、中小企業・小規模事業者のレジやPOSの導入・改修を支援する方針が公表されています。現時点で案内されている最大350万円は、会計・受発注・決済などのITツール部分の補助上限です。PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円と区分されています。

ただし、2026年9月24日時点では、すべての申請条件や対象製品が確定し、公募要領まで公開された状態ではありません。「最大350万円もらえる」と考えて、今すぐiPadやレジを買うのはおすすめしにくいというのが、現時点での結論です。

小規模飲食店では、まず現在のPOS・タブレット・レシートプリンターなどを確認し、利用中のサービス会社からの公式案内を待つことが現実的です。

この記事の前提|2026年9月24日時点

  • 2027年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる内容は、国税庁の特設サイトで案内されています。
  • レジ支援は「デジタル化・AI導入補助金」の事前着手制度として公表されています。
  • ただし、補助対象になることや、購入した金額がそのまま補助されることを保証するものではありません。
2027年消費税減税に伴うレジ・POS対応支援の概要。ITツール最大350万円、PC・タブレット最大10万円、レジ・券売機最大20万円
「ITツール最大350万円?」という報道だけで判断せず、PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円など、対象区分と正式要件を確認してから動くことが大切です。
目次

レジ・POS対応のITツール部分に最大350万円の補助枠が報道

2026年9月24日、共同通信は、政府が2027年4月に予定する飲食料品の消費税率引下げに向け、中小企業・小規模事業者のレジシステム改修費用を支援する方針だと報じました。報道された最大350万円は、レジ本体そのものではなく、会計・受発注・決済などのITツール部分に関する補助上限として整理する必要があります。2026年度予備費を充て、近く閣議決定する方針とされています。

一方、中小企業庁の案内を紹介するJ-Net21では、今回の支援を「デジタル化・AI導入補助金」におけるスマートレジ類型・POSレジ類型の事前着手制度として説明しています。報道と公表情報を、次のように分けて見ておきましょう。

項目 現時点で確認できること 注意点
制度の位置づけ デジタル化・AI導入補助金の事前着手制度として中小企業庁系の案内あり 今後、公募要領が事務局サイトで公開予定
ソフトウェア・サービス 1機能は最大50万円、2機能以上は最大350万円と案内 上限であり、全事業者が350万円を受け取れる意味ではない
補助率 50万円以下は中小企業3/4・小規模事業者4/5、50万円超〜350万円は2/3と案内 対象経費ごとの上限・要件を公募要領で確認する必要あり
ハードウェア PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円、補助率1/2と案内 350万円とは別区分。対象機器や登録製品の条件がある
時期 2026年9月15日以降の対象導入・改修を事前着手の対象とする案内。申請受付は2027年1月をめど 対象期間や受付時期は「予定」「調整中」とされている

つまり、制度の方向性や金額の枠は公表されていますが、自店の購入・改修が対象になるかは別問題です。補助金の記事でよくある「上限額」だけを見て、満額を前提にしないようにしてください。

2027年4月の消費税率引下げとは

国税庁の「消費税率引下げ特設サイト」では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の譲渡に係る消費税率を引き下げる内容が案内されています。現時点で示されている税率は1%です。

ここで注意したいのは、「飲食料品」と「飲食店が提供するすべての食事」が同じではないことです。国税庁が現在の軽減税率について示している区分では、酒類と外食は飲食料品の譲渡から除かれ、テイクアウトや宅配は対象になります。

取引 現時点で確認できる整理 2027年の扱い
テイクアウト・宅配 現在は軽減税率の対象 飲食料品の引下げ対象として案内
店内飲食・外食 現在は標準税率の扱い 改正案では引下げ対象外(10%のまま)
酒類 軽減税率の対象外 改正案では引下げ対象外(10%のまま)

飲食店では、店内飲食・テイクアウト・酒類を一つのレジで扱っているケースがあります。改正案どおり実施された場合、持ち帰り・宅配は1%、店内飲食・酒類は10%です。実施には法案の成立が必要なため、国税庁とPOS会社の最新案内を確認してください。

実際に飲食店のレジで何を確認・変更する必要があるかは、2027年の消費税減税案で飲食店のレジは何を変える?で整理しています。

レジ改修補助の対象になりそうな費用

中小企業庁系の案内と報道で示されている範囲では、次の費用が支援対象として想定されています。ただし、ここでは「対象として案内されている内容」と「自店の申請が通ること」を混同しないでください。

  • ソフトウェア改修:POS・レジを新しい税率に対応させるための改修
  • スマートレジ導入:従来型レジからスマートレジへ移行する費用
  • マニュアル作成・導入研修:報道で支援に含まれるとされています
  • 保守サポート:報道で支援に含まれるとされています
  • ハードウェア:PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円、補助率1/2と案内されています。ITツール部分の最大350万円とは別区分です

申請受付後に必要となる書類も重要です。事後申請の制度では、契約書・見積書・納品書・請求書・支払い記録などが確認される可能性があります。中小企業庁系の案内でも、契約・納品・支払いに関する書類を保管するよう示されています。

小規模飲食店ではどんな影響がある?

クラウドPOSを使っている店では、税率変更がソフトウェア側のアップデートで対応できる可能性があります。ただし、これはサービス会社や契約内容、端末の状態によって変わるため、「クラウドPOSなら必ず無料・自動」とは言えません。

一方、古いレジやタブレットを使っている店では、次のような周辺機器まで確認が必要です。

  • タブレットの機種・OS・世代
  • レシートプリンターと用紙幅
  • キャッシュドロアやバーコードリーダー
  • 決済端末との連携
  • インターネット回線とWi-Fi環境
  • 会計ソフト・売上管理・在庫管理との連携

レジ本体だけを買い替えても、プリンターや決済端末がつながらなければ営業日に使えません。補助制度を検討する場合も、まずは現在の構成を一覧にすることが先です。

Airレジ・Square利用店はどうなる?

Airレジ、Square、スマレジなどのサービス名が報道に直接並んでいるわけではありません。現時点では、「Airレジなら補助対象」「Squareなら対象外」と判断できる正式情報は確認できません。

私の店でもAirレジ・Airペイを使っていますが、現段階では補助金を前提にiPadなどを買い替えるのではなく、正式な要件とサービス会社の案内を確認してから判断する予定です。

利用店が今確認しておきたいのは、次の3点です。

  1. 利用中のPOSが、税率変更時にどのようなアップデート対応をするか
  2. 現在のiPad・タブレット・周辺機器が、今後も対応端末として使えるか
  3. 改修費や保守費が発生する場合、補助制度の登録製品・対象経費に該当するか

AirペイとSquareの違いを比較したい方は、AirペイとSquareの比較記事も参考にしてください。ただし、補助対象の判断は必ず各社の公式発表と公募要領で行います。

今、iPadやレジを買い替えても補助される?

結論は、補助金を期待して、確認なしに先に購入するのはおすすめしにくいです。

確かに、2026年9月15日以降の導入・改修を対象とする事前着手制度が案内されています。しかし、これは「9月15日以降に買えば必ず補助対象になる」という意味ではありません。

少なくとも、次の条件を確認する必要があります。

  • 購入日・契約日・導入日が対象期間に入るか
  • 交付決定前の着手として認められるか
  • 購入する製品・POSサービスが事務局登録製品か
  • 対象事業者の規模・業種要件を満たすか
  • ソフトウェア、サービス、ハードウェアのどの区分に当たるか
  • 支払方法や証憑書類の要件を満たせるか

公募要領が出るまでは、購入を急ぐより、見積書を取り、現在の機器構成と必要な改修内容を整理しておく方が安全です。先に買う場合も、対象製品かどうかを販売会社と事務局に確認し、書類をすべて保管してください。

飲食店経営者が今やっておくこと

  1. 現在のレジ・POSを確認する:製品名、導入年、契約プラン、税率設定をメモする
  2. タブレットの機種・世代を確認する:OS更新の可否と、POS会社の対応端末を確認する
  3. 周辺機器を確認する:プリンター、ドロア、決済端末、Wi-Fiを一覧にする
  4. POS会社からのお知らせを確認する:公式サイト・管理画面・メールを確認する
  5. 買い替えを急がない:補助対象製品や経費区分を公募要領で確認する
  6. 書類を残す:見積書、契約書、納品書、請求書、支払記録を保管する
  7. 正式な公募要領を待つ:申請開始時期、対象期間、登録製品を確認する

POSレジ全体の選び方は、飲食店向けPOSレジの比較記事、消費税変更への備えは消費税の変更に対応できるクラウドPOSの記事で整理しています。インターネット回線が不安な店は、飲食店にネット回線が必要な理由も確認してください。

まとめ|最大350万円という数字だけで動かない

2027年4月からの飲食料品の消費税率引下げに向け、レジ・POSの導入や改修を支援する制度が公表されています。最大350万円はITツール部分の上限であり、PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円という別の区分です。いずれも上限額で、補助を受けられることが確定するわけではありません。

対象事業者、登録製品、対象経費、補助率、必要書類、対象期間などの細かな条件を満たさなければ、補助を受けられるとは限りません。「9月15日以降に買えば補助対象」と断定できる段階でもありません。

まずは自店のレジ・POS・周辺機器を確認し、POS会社の公式発表と正式な公募要領を待ちましょう。制度の詳細が公表されたら、この記事も対象経費や申請手順を追記して更新します。

※この記事は2026年9月24日時点の公表資料・報道をもとに作成しています。制度は今後変更される可能性があります。申請や購入の判断は、必ず最新の公募要領・公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

1993年から店長として飲食店の店舗経営に携わり、2005年に独立法人となって現在に至ります。飲食店業界30年以上、法人経営20年以上。固定費削減の年間約19万円は、実際の改善をもとにした概算(電気代約10万円、ガス代約5万円、通信費約3万円、決済手数料約1万円)です。法人カード・ビジネスカード、freee、マネーフォワード、カード自動連携の利用経験はありません。現在は個人向けクレジットカードを事業用途にも利用し、リクルートカードの利用経験があります。

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